◎写真は、大野原町五郷(香川県観音寺市)の山で咲いていたヤマザクラ(山桜/バラ科/花言葉:あなたに微笑む)です。 ◎観賞用に品種改良されたサクラ(ソメイヨシノ等)は、葉が出るより先に花を咲かせますが(=花が咲いている時には葉がない)、ヤマザクラの場合は葉と花が混在します。 ◎凄いボリュームで花だけをブァ〜!と咲かせるソメイヨシノも、それはそれで素敵ですが、えへへ、知漢が“風情”を感じるのは、葉と花が混在するヤマザクラの方です。 ◎ヤマザクラの場合、葉も風流を心得ており、いきなり緑色の葉をつける不粋はしません。写真を見れば分かるように、花色と調和が取れる、薄褐色の葉になっているでしょ。いいんだなぁ〜、これが、また ^^v ◎サクラの花をここへ貼った時は決まって書いているように、現代人が「花見の桜」として愛でるソメイヨシノ(染井吉野)は、明治に限りなく近い江戸時代末期(幕末)に、江戸(東京)の染井にある植木屋が品種改良して販売したものです。 ◎と云う事は....。はい、そうなのです。古来より日本人が愛で親しんで来た桜は、ソメイヨシノでなく、写真のヤマザクラだったのです。 ◎だから、1594年に豊臣秀吉が吉野で行った(馬鹿げたほどに壮大規模の)「花見の会」も、愛でたのは(ソメイヨシノではなく)ヤマザクラの花と云う事になります。 ◎ヤマザクラは、個体変異が著しい植物として知られており、その個体変異ぶりは、花や葉の色形だけに収まらず、開花時期にまで及びます。 ◎つまり、ヤマザクラは、ソメイヨシノみたく「イッ!セ〜ノ〜!セッ!」で、一斉に咲いたりはしないのです。 ◎同じ品種のヤマザクラが、時期をずらして(あちこちで)バラバラに咲くから、昔人は長期間に渡って桜を楽しむ事が出来たのであり、そうでなければ「花見の会」と云う日本文化は生まれなかったのかも知れません。 ◎そそ、在原業平が、「あそこの桜は咲いたか?あそこの桜はまだか?」と、気忙しく桜花を追う己の心中(しんちゅう)を半ば自虐的に詠んだ、【世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし】も、その桜が(一斉に咲く)ソメイヨシノだったら、恐らく、詠まれる事のない歌だったでしょうね (^^ゞ |