- 写真は、自宅近くで撮影したハコベ(繁縷/ナデシコ科/花径:約5mm/花言葉:追憶)の花です。
- 唐突な話で恐縮ですが、実はこの私、かつてフラワーデザイナーとして働いていた事があります。
- なもんで、今日はそんな私が【フラワーデザイナーの目】で、このハコベの花を評してみたいと思います。
- フラワーアレンジメントやコサージュやブーケを作る時、一輪一輪の花を引き立たせ、尚且つ、作品全体を美しく見せる上で欠かせないのが、緑色の「葉(グリーン)」や「萼片」の扱いです。
- そんなフラワーデザイン的審美眼で云うと、同じくこの時季に路傍で咲いているナズナ(アブラナ科)は、グリーンの扱いがあまり上手じゃありません。←ナズナの花はグリーン(葉)から離れた高い位置(空中)に花序を展開しているため、純白の花色が際立たない。
- その点、写真を見て頂ければ分かるように、ハコベはグリーン(葉)や萼片を至近の背景に配する事で、自らの花色(純白)を効果的に引き立てています。
- あはは、これぞまさしく、「上手い!」と思わず叫びたくなるハコベの「装いの技」であり、ハコベの清楚な美しさは、上手なこのグリーンや萼片の扱いによって醸し出されているのです。
- また、写真のハコベで云うと、花序(集散花序)全体に立体感を出す蕾の使い方(配置)も秀逸です。その蕾があるお蔭で、花序全体がそのままコサージュに使えそうなまとまりを見せているのです。←花径5mmですから、小さすぎて実際のコサージュにはなりませんが(笑)。
- 話変わって・・・ この花を貼る時はいつも決まって書いていますが (^^ゞ 「花弁の先端部に切れ込みを入れたがる」のがナデシコ科の花の特徴でしたよね。
- ナデシコ科に属する、カーネーション・カワラナデシコ(=ヤマトナデシコ)・ハマナデシコ・セキチク・ビジョナデシコ(=ヒゲナデシコ)・カスミソウ等々の花弁先端部を想い浮かべて下さい。
- どの花も、花弁の先端部に切れ込みが入っているでしょ(例:カーネーションの花だと、花弁先端部のギザギザがその切れ込みに相当する)。
- で、その花弁先端部の切れ込みを極限まで深く入れたのがハコベであり、花弁の根元まで深く切れ込みが入っているため(=1枚の花弁がV字形に見えるため)、5枚の花弁でありながら、あたかも花弁が10枚あるかのように見えるのでしたよね。
- ・・・このエッセイ文は[2016-03-26]にTPへハコベの写真を貼った時に書いたエッセイ文です。
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